木育とは、木とのふれあいを通して、木や森との関わりを考えられる豊かな心を育む活動です。
このように聞くと、水族館とはあまり関係がないように感じるかもしれませんが、「森は海の恋人」と言われるように森と海の生態系は密接に関わっています。
豊かな森からは豊富な栄養分が川を通して海にもたらされ、その栄養が海の生き物を育みます。
森の保全は海の保全にもつながっているのです。
2月18日に福岡県行橋農林事務所、西日本工業大学と連携して、福岡県産ヒノキの無垢材からスナメリのフィギュアを作るワークショップを行いました。
無垢材と言っても、プラモデルの部品が枠にくっついているように、既にスナメリの形に彫り込まれています。
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スナメリ型が彫り込まれた無垢材
そこから取り出したスナメリ型の木をひたすら磨くだけ…という内容だったのですが、やり始めると皆さん真剣そのもの。
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無垢材からの取外し
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ひたすら磨く
磨けば磨くほど、スナメリのようにつるつるの質感になるとあって、ひたすら磨き続けて、自分だけのスナメリフィギアに仕上げていました。
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完成
今回はただ磨くだけではなく、森と海の関係を知るための絵本の読み聞かせや福岡の森のこと、豊前海に多く生息するスナメリの事もお話ししました。
また、活動の最後にはスナメリプールの中に入り、目の前を泳ぐスナメリも観察したのですが、スナメリたちも興味津々でこちらを観察するように見に来ていました。
なんの隔たりもない場所でのスナメリとの接近は、彼らがくらす海を守るためにも森を育てなければならないということをより強く感じて頂けたと思います。
副館長 岩田 知彦