皆さんはユムシという生き物を知っていますか?
現在1階の情報ひろば『うみのたね』では、食をテーマにした展示を行っています。
カキやサザエなど、食べることでもおなじみの生物の水槽が並ぶ中、唯一異彩を放っているのがユムシ水槽。
水槽を覗くと、10㎝程のソーセージのような物体がイモムシのように伸び縮み…
他の水槽からは美味しそうというお客様の声が聞こえてきますが、このユムシ水槽をみたお客様からは、まだ美味しそうの言葉を聞いたことはありません。
「えっ?何これ?」
第一声のほとんどがこの言葉です。
ユムシは日本各地に生息している体長10~30㎝の生き物で、潮間帯から浅海の砂泥域にU字形の穴を掘って暮らし、有機物などを体の粘液で集めて口に運んで食べています。
吻先がスプーンのような形をしているので、英語で「spoon worm」(スプーンのような虫)とも呼ばれています。
いろんな形になったり、もぞもぞ動く姿は見ていて飽きません。
話は最初に戻りますが、今回は食をテーマにした展示です。
実はこのユムシは地方によっては食用として美味しく食べられているのです。日本だけではなく、韓国や中国などでも食べられています。
また、どちらかというと釣り餌として使われることが多いので、釣り好きの方は知っているかもしれません。
私は以前、刺身で食べたことがあるのですが、コリコリしていて甘みもあり、個人的には好みの味でした。
今や私は今回の展示水槽の中で、ユムシ水槽を一番おいしそうだなという目線で見てしまいます。
学習交流課 前田 瑠美