【教育研究活動室誕生】
岩田 知彦(副館長)
平成7年のグランドオープンの時には、さまざまな新しい取り組みがありましたが、「教育研究活動室」もその一つです。それまで、飼育の部署で個別に行われてきた教育活動、研究活動の窓口として誕生しましたが、日本の水族館ではそのような部署の前例はなく、手探り状態でした。私自身も当初魚類課の飼育係と兼任していたため、走り回っていたように記憶しています。
教育研究活動室のメンバーは管理職である室長と5人の女性解説員に私という構成で、当初解説員が行うアクアライブショーとマリンサイエンスラボを軌道に乗せることが重要な仕事でした。どちらのショーも日本で初めての取組で、前例がない中みんなで力を合わせて作り上げたといえます。特にマリンサイエンスラボは生き物の事を、実験を交えながら解説するショーで、3か月ごとにテーマを変えるため、慣れるまでは締切に追われる日々でした。特にお客様が実験に参加していただくことを至上命題としていたため、この部分は四苦八苦した思い出しかありません。ただ、参加性を高めたことで、コアなファンに支持していただきました。
教育活動は夏休みこども水族館教室などそれまでも行ってきたものから徐々に活動領域を広げ、学校団体向けの学習プログラム、移動水族館教室、テレビ電話を使った遠隔授業など新しいことにもチャレンジすることで他の水族館にはない、特色のある部署になったのではないかと思っています。
部署の名称は教育活動研究課、学習交流課と変わりましたが、日本の水族館の教育活動を引っ張っていくという設立当初の思いは忘れずに、これからも走っていきたいと思います。