2階のキューブ水槽で展示中のハマクマノミが、産卵期を迎えています!
水槽内の配管に、数十個の卵を産みつけ、親が交代で新鮮な海水を送ったり、卵の周辺のゴミなどを取り除いたりと、せっせとお世話をしています。
卵のお世話(食べているわけではありません)
産みたての卵は全体的にきれいなオレンジ色ですが、やがて透明となり代わりに黒い点が見えてきます。
これが眼です。約二週間後には、銀色の体が透けて見えるので、卵もキラキラして、こうなるともう孵化間近です。
目がキラキラ
孵化間近になると、ひとつの大きな心配事が頭を悩ませます…。
それは、「親が孵化間近の卵を食べてしまう」ことです。
ずっと世話をしていた卵を最後に食べてしまう…この原因は、いくつか考えられており改善を試みていますが、残念ながら現在でも飼育下では時々起こってしまいます。
そこで私達は、孵化間近の卵を親に食べられないよう配管ごと別の水槽へ移動し、ポンプで水流を卵に当て、酸欠やゴミなどが溜まらないよう環境を整えて孵化を待つことにしました。
本来この方法は、親が世話をして自然に孵化する数に比べると格段に落ちてしまいます。(それだけ親のお世話は、本当に大切なんです!)
それでも、「1つも孵化しないよりかは!」と、毎回、試行錯誤しながら赤ちゃんの孵化を待ちます。
何度か繰り返してようやく、ハマクマノミの赤ちゃんが数匹、孵化直後の体の大きさが2.5ミリから5ミリまで成長しました。
親のハマクマノミは、顔のヨコにある白い帯模様が1本ですが、赤ちゃんの時は2本あります。
まだまだ小さく、この先何が起こるかわかりませんが、大事に育てて、いずれは展示水槽で皆さんにお披露目できるよう引き続き頑張ります!!
ハマクマノミの子ども
魚類課 野田 早智