マリンワールドは、4月のリニューアルオープンから4ヶ月が過ぎ、連日多くのお客様にお越しいただいています。その中でも、今回のリニューアルで人気の施設となった「ペンギンの丘」のオープンまでを紹介しましょう。
リニューアル前から、ケープペンギンを展示していましたが、展示プールは順路から外れた場所にあり「ペンギンは?」と聞かれることが多くとても人気がある施設とはいえませんでした。
(旧ペンギンプール)
そこで、計画段階からペンギンの展示場所は順路も考慮し、「かいじゅうアイランド」入口に移し、ガラス越しでなく、身近に息遣いを感じていただけるものを目指しました。
(ペンギンの丘建設予定地)
昨年10月の休館後すぐに工事が始まり、プールだけでなく夜間の生活場所として小屋も併設しました。
(ペンギンプール建設中)
(ペンギン小屋建設中)
工事は順調に進み、2月上旬に完成し、今回のリニューアルの中では最も早く2月中旬には小屋への引越しも完了し、新生活がスタートしました。スタートとは言ってもまずは小屋にならし、その後小屋から丘に出ていくようにしなければなりません。
しかし、小屋から丘への移動は難題で、初めて目にする場所への警戒心からか小屋より外には中々出ようとしません。観覧通路を横切らなければならないのも警戒心を刺激したようで、通路途中で停止したり逆走して小屋に戻ったりと中々上手くいかず、スムーズな移動が出来るようになるまでには、1ヶ月かかりました。また、丘にもプールにも慣れるまで、更に時間がかかりました。
(慣れてないためプールに入らないペンギンたち)
(かたまって動かないペンギンたち)
(しょうがないので、無理におってます・・・)
(なんとかプールに入りました・・・)
ようやく目途がついたころ、問題発生です。
「ペンギンが脱走!!」
発見者は工事現場の方で、「ペンギンが外を歩いていた」との連絡を受け、あわてて現場に行くと、すでに作業員の方が丘に戻した後で、どのペンギンが脱走したのかは、確認出来ません。脱走場所を確認する為、観察を始めると、脱走の動きにつながる怪しい行動を取るペンギンが3羽います。この3羽は、いずれも私たち飼育係が育てた若い個体で、警戒心より好奇心旺盛な所が共通点でした。
脱走方法は、プールの縁から、観覧通路との間にある生垣に飛び込み植木の上を移動、そこから柵の隙間を抜け外に脱走する方法でした。
すぐに生垣は堀にして、柵の隙間も変更し対策を行った結果、脱走は阻止できるようになりました。
(花壇に飛び込んで脱走を企てるペンギン)
そして、ようやく4月12日オープンには、ペンギンの丘にて20羽揃ってたくさんのお客様を無事迎えることが出来ました。
暑い日が続きますが、マリンワールドのペンギン達に会いに来てください。
元気なペンギン達の映像は、You Tubeにて公開していますのでぜひご覧ください。
展示部 野間 重和