生き物たちが元気に生涯を全うできるように、我々スタッフは日々頑張っていますが、どうしても寿命や病気で死亡してしまう生き物たちもいます。
そこで、なぜその生き物が死んでしまったのか、他に広がる感染症の可能性がないか、を検査するため、基本的には死亡した生き物は獣医が解剖することにしています。
先日も、体長4cmほどのニッポンバラタナゴが持ち込まれたので、検査を行っていました。
エラの一部を切り取って顕微鏡で確認したところ、下の写真のようなものが見られました。
これはとある寄生虫なのですが…もしあなたが寄生虫好きの方であればご存じかもしれません。
これは【フタゴムシ】という寄生虫のなかまです。
オスとメスが融合して1匹(1ペア?)になっている、という珍しい虫です。
まさに”ニコイチ”です(笑)
寄生虫界隈では有名な虫で、東京都は目黒にある目黒寄生虫館さんのロゴにもなっています。
私も学生時代に知り、その存在と名前は知っていたのですが、まさか本物を見られる日が来るとは…。
感動はしつつも、寄生した魚を貧血にしてしまう厄介な虫でもあるので、フタゴムシには申し訳ないですが、薬浴で駆虫しました。
こうした思わぬ出会いがあることも、水族館の仕事の面白さの一つです。
獣医師 近藤 圭佑