骨格展示ゾーン『ほねのおと』に新しい仲間が加わりました。
仲間入りしたのはこちら。
ハナゴンドウとラッコの全身骨格です。
ここに新しいメンバーを迎えたいと計画し始めたのは2023年2月のこと。
『ほねのおと』オープン当初から、定期的に展示を変更したいという想いは持ちつつも、なかなかうまくできずにいました。
エリアに展示している約60点の標本骨格のうち、マッコウクジラの頭蓋骨とクロミンククジラの全身骨格以外は全てスタッフの手作りです。
新たに追加するためには骨を組み立てる必要があるんですが、普段の業務と並行で行うため、まとまった時間がなかなか取れず、とても時間がかかります。
まさに「骨が折れる作業」。
そこで今回、ハナゴンドウの組み立てには大阪市立自然史博物館のスタッフと当館のボランティアグループ「Teamまりん」に協力をお願いしました。
皆さんには本当に感謝しています。お疲れさまでした!
そして、ラッコの骨格はマッコウクジラやクロミンククジラの制作をお願いした、まっ工房さんに作っていただきました。
さて、今回の展示でわたしたちがこだわったのは「距離感」。
隅々まで観察していただけるように標本の高さをお客さまの目線に合わせました。
また、水中で生活するための工夫を知っていただき、実際の生きものたちを見るときに想像力を膨らませてもらったり、新しい発見に繋がればいいな、という想いも込めています。
ラッコの歯
ちなみに5月までこのエリアは『陸BONE』という名称で福岡市動物園からお借りした骨格標本を展示していました。
水棲生物と陸上生物では生活環境も食生活もまるで違うため、歯やあごの作りなどに大きな違いがあります。
獲物を突き刺し、切り裂いて食べるための立派な犬歯が特徴的な肉食動物は、強靭な口の筋肉を支えるために大きく張り出した類骨と、がっしりと頑丈なつくりの顎の骨がとても美しくて惚れ惚れします。
生きているうちは触れることなど到底できませんが、こうやって手に取って観察ができるのは標本の大きな魅力です。こちらはアムールトラの骨格ですが、ずっしりと重くてとにかくかっこいいです。
さて、ここまでお読みいただけばお気づきになると思いますが、わたしは骨が好きです。
その美しいフォルムやあたたかい色合いが好きです。
そして、自然によって生み出された骨の形には、その生きものが生きるために進化してきた多くの理由や歴史が詰まっています。
それぞれの生きものにおいて、そうであること。骨を見ると、生きもの達の、そういう「違い」が感じられるところがとても好きです。
『ほねのおとのニューフェイスたち』を間近にごらんいただくことにより、多くの方に骨の魅力を共感していただけるといいなぁと思っています。
ラッコの前あし
営業部 土井 翠