今年もアカウミガメの産卵上陸調査をマリンワールドの近くの海岸で行いました。
残念ですが産卵上陸はありませんでした。
ですが、福岡県の海岸では6月19日から20日未明に岡垣町の三里松原海岸、8月7日に福津市の勝浦海岸で上陸が確認されました。
砂浜には波打ち際から丘側に向かって進み海へ帰るキャタピラのような跡があり、その先で砂浜が掘り起こされているところが産卵場所と考えられます。
三里松原海岸では産卵日より60日が過ぎたころに調査のため、特別に砂浜の掘り起こしを実施したところ卵の確認はできませんでした。これは、アカウミガメが上陸しても産卵していなかったことになります。
産卵しなかったかは理由の一つとして光や音などの影響があります。
アカウミガメはほとんどが日没から日の出までの暗く静かな時間帯に産卵をしますが、卵を産む場所を探しているところに光や音など危険を感じるものがあると産卵せずに海へ帰ることが知られています。
私たちは夏の海を満喫して、ついつい夜までバーベキューや花火など楽しむことがありますが、実はその海岸の夜にはアカウミガメが産卵のために上陸する準備をしているかもしれません。
来年の夏、海岸で楽しむのは日中だけにして夜はアカウミガメに譲ってみてはいかがでしょうか。
展示部魚類課 宮地 勝美