当館3階の「水の森」という淡水生物ゾーンでは、11月頃からタナゴの展示を予定しています。それに向けて、先日タナゴ釣り採集に行ってきました。
タナゴの仲間は大きな川ではなく、細くて流れの緩やかな水路等で生活をしています。道具は2m弱の短い竿と簡単な仕掛け、餌には卵の黄身を練ったものを使いました。準備ができたら、いざ!釣りスタート!
タナゴはとても小さな魚なので、ググッと引くことはありません。
(たまにオイカワやカワムツがかかり、スンっと浮きが沈むこともあります。)
小さな浮きをじっと見つめ、ちょっとした動きがあればサッと竿を上げます。そして、釣り上げるタイミングがばっちり合えば綺麗なタナゴとご対面です。これが水の澄んだ水路や川だと、「タナゴが餌に気付いた…あっ今食いついた…!来た来た~!!」という風に、魚の動きを見ながら釣ることができ、楽しさ倍増です。
ではここからは、今回出会えたタナゴたちをご紹介します。
まずは、『テカテカボディがかっこいい“アブラボテ”』
背ビレと尻ビレに、黒と橙の綺麗なしま模様が入っています。これは繁殖期のオスに見られる「婚姻色」というものです。普段から黒っぽい体をしていますが、婚姻色が出るとさらに黒さが増します。
続いては、『ヒゲがあります!“ヤリタナゴ”』
この写真では少し分かりにくいですが、口元に1対のヒゲがはえています。婚姻色が出たオスは腹が真っ黒になり、尻ビレが綺麗な赤橙に染まります。少し細身のタナゴです。
そして最後は、『川の中の宝石“カネヒラ”』
こんなに美しい魚が日本の川に棲んでいます。ちなみに、上がオスで下がメスです。雌雄でかなり色が異なりますが、それぞれに魅力がありますね。私は毎年この季節になるとカネヒラのオスを求めて釣りに出掛けますが、この綺麗なカネヒラは何度釣れても、釣れる度に「◎△★×◆✤~!!」と何を言っているか分からないような感動の声が出てしまいます。それくらい美しいです。
さて、ここまで長々とタナゴについて綴りましたがいかがだったでしょうか?
日本にも、九州にも、こんなに美しい魚たちが棲息していることを少しでも知っていただけたら嬉しいです。
そして是非!水の森に遊びに来て下さいね。タナゴたちが皆様をお出迎えします♪
魚類課 タナゴが大好きな明石夏澄