当館では約350種の生き物を飼育しているため、彼らに与える餌も、魚やイカ、貝やエビなど様々な種類を使用します。
今回はそんな餌を扱っているときに、稀に紛れ込んでくる珍客のお話です。
餌は全国各地から仕入れており、種類ごとに正確にダンボール箱に詰められて届くのですが、数日に一匹ほどの絶妙なタイミングで別の魚が混ざっていることがあります。
冷たい北の海から仕入れているイカには冷水系の魚が、九州内で捕れたサバには温かい海域でも見られるような魚が紛れ込んでいて、そんな魚たちを見つけるたびに「おぉっ!」と一人盛り上がっています。
それでは、最近見つけた魚をいくつか紹介します!
クロソイ
北海道や東北地方など冷たい海にいる魚で、たまにイカに混ざっています。
九州で見られるメバルたちに似ていますが、目の横に黒い線があります。
オアカムロ
九州圏内から仕入れるサバに混ざっています。
尾が赤いムロアジの仲間、というのが名前の由来です。
トミヨの仲間
北海道から届いたチカという餌に紛れていました。
トミヨの仲間はどれも非常に数が少なく希少な魚です。
見つけたときは奇声を上げました。
他にもエイやダンゴウオの仲間など、これまでいろんな珍客を見つけては、こっそり標本にしてコレクションしています。
ちなみに今までで一番びっくりしたのは、サバの箱に20㎝はあるアンコウが紛れていたことです。
これはさすがに「箱に詰めてる時に気づくでしょ!」とツッコみたくなりましたが、きっと漁師さんも忙しかったんだろうなーと勝手に想像しつつ、楽しませてくれてありがとうと感謝している私でした。
魚類課 岡村 峻佑