【コビレゴンドウの迷入、保護】
塚田 仁次(運営本部 展示部 海洋動物課 係長)
1999年9月23日、『糸島の海岸に10頭くらいクジラが迷い込んでいる』と水族館に連絡が入りました。大型の台風が北部九州に直撃する前日の事です。迷い込んだ原因は不明。数日後には3頭になって唐津湾に姿を現し、湾内から出ていく気配もなく、衰弱して来ました。唐津市からの依頼で10月21日に多くの方に見守られながら2頭のコビレゴンドウを保護しました。
血液検査から2頭とも脱水、オスは感染症の疑い、メスは筋肉系へのダメージがあることが分かりました。
当館では初めての飼育種。分からない事ばかりでしたが、治療により2頭とも搬入5日目に自力で餌を食べられるまでに回復しました。この時の経験、データが現在ショーで活躍している『ユキ』の長期飼育記録の更新に役立ったと思っています。