アオリイカの水槽の点検に行った時に、水面に奇妙なものが浮いているのを発見しました。
空気がたくさん入った透明な水風船のようで、水面にぷかぷかと浮いていました。
今までに見たことがないもので、私も発見したときはビックリしました。 でもよく見るとアオリイカの卵のようなつぶつぶが中にいくつかあったので、きっと水槽内のアオリイカが産卵したときに、空気を取り込んでしまって、風船のようになってしまったものだと思います。
アオリイカは寿命が1年しかありません。今の時期は、たくさん子孫を残すためにがんばって卵を産んで次の世代にバトンタッチし、寿命を全うしようと生き抜いている最後のときです。これは1個しか見つけられず、他の卵はきれいに産卵されていましたので、もしかすると初めての産卵だったのかもしれませんね。
この卵は手に取ることができるほどの弾力性があり、2日間はパンパンのままでしたが、残念ながらその後萎んでしまいました。卵らしきつぶつぶも受精していなかったため、正体はわからないままでした。
展示部魚類課 中村 維沙