みなさんは水族館の海水事情をご存知ですか?
海に暮らす生き物たちにとって、海水は無くてはならないものです。
真水なら水道をひねれば手に入れられますが、海水はそうはいきません
日本各地の水族館は「立地」によって海水を得る方法が違います。
近くに綺麗な海がある場合はその海水を使用しますが、河川や雨の影響を受けやすかったり水質が適さなかったりする海の場合は遠方から船舶で海水を運んできます。また近くに海がない都市型の水族館は真水に塩を混ぜた人工海水を使用している所が多いです。
マリンワールド海の中道は、北は玄界灘、南は博多湾に挟まれていますが、博多湾は塩分や水質が不安定なため、玄界灘から海水を汲み上げています。

海水の取り込み口は岸から700m離れた水深10m前後のところにあります。
実はこの取り込み口は2つあるんです。
もし、1つだけだと時間が経過するにつれホヤ、海藻、カイメンなど様々な生物が配管に付着し、配管内が付着生物で詰まり海水を取り込めなくなります。
2つあると、1つを動かしつつ、もう1つは掃除をして休ませることで付着生物をそぎ落とすことができます。2つの取り込み口を交互に使用することで安定して水族館に海水を送ることができます。
その取り込み口の切り替えと清掃は年に3回行っていて、4月下旬に行ってきましたので、今回はその様子を紹介します!
奈多漁港から漁船に乗って出発!

沖からはマリンワールド海の中道の建物もちらっと見えます。
黄色い部位が取り込み口の目印!

潜り始めると立派なアカクラゲが姿を見せてくれました!

切り替え作業の様子。濁っているように見えますがこれでも良い方なんですよ(笑)

こちらが取り込み口の蓋です!
色とりどりの付着生物がいました。

取り組み口の周りには生き物たちがいっぱい!

カイメンや海藻に囲まれたアナハゼ

フサコケムシを食べているクロコソデウミウシ
この写真から何匹見つけられますか?私は7匹見つけました!
取り込み口から離れると海底には砂地が広がっています!
泳いでいくと生き物と遭遇できました!

手のひらサイズのトゲモミジガイ(ヒトデの仲間)

丸見えだけど砂に隠れているつもりのマゴチ
今回も清掃作業は無事に終了しました。
玄界灘から取り込んだ海水はろ過された後に、各プール・水槽へと送られていきます。
台風が来ると濁った水が水槽に入ってきてしまったり、たまにクラゲや魚が詰まったりしてトラブルが起こることもありますが、綺麗な玄界灘の海水は水族館にとって、とても貴重なものです。
当館に誰かと遊びに来た時には、このネタを会話のタネにしてみてくださいね。
魚類課 鈴木鴻之
