マリンワールド海の中道

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2021.11.15

カスミサンショウウオ育児日記

こんにちは。魚類課の坂上です。
マリンワールド海の中道では、カスミサンショウウオのというサンショウウオの保全活動をしています。
こちらがカスミサンショウウオです。


尻尾の黄色い線が綺麗ですね!

え、こんなに小さいの? と思う方も多いかもしれません。
サンショウウオと聞いて、多くの人が頭に思い浮かべるのは1m以上にもなるオオサンショウウオではないでしょうか?
でも実は、日本に生息しているサンショウウオの多くは手のひらサイズの小さなサンショウウオなんですよ。


こんなに可愛いカスミサンショウウオですが、今年初めて卵を産みました!


60個ほどの卵が、くるくるした三日月形の卵嚢(らんのう)にくるまれています。
この卵嚢はゼリーのようにぷるぷるで、幼生が孵化するまでこの卵嚢のベッドの中で過ごします。
1匹のカスミサンショウウオは1回の産卵でこの卵嚢を2本産みます。
片側の先端がくっついていて、水の中の木や石に産み付けられます。


カスミサンショウオの産卵期間は毎日世話をしながら卵がないか、水槽の中をくまなくチェックしていました!

卵の中で幼生たちは、くるくると回りながら孵化するまでの約2週間、徐々に形を変え成長していきます。


孵化する日がとても待ち遠しかったです!

そしてようやく孵化が始まりました!
カスミサンショウオの幼生が勢い良く卵嚢から飛び出します。
孵化直後はこんな形です。


まだ手足はなく、オタマジャクシのような形ですね。
頭の横から生えているのはエラとバランサーと呼ばれるもので、これがないと幼生はひっくり返ってしまいます。


孵化してから数日後小さなプランクトンを食べ始めた幼生は、どんどん大きくなっていきました。
体長と同じくらいの大きさのアカムシを食べ始めた時は、毎日1匹ずつ時間をかけてピンセットで口元にエサを運んでいました。


500匹以上のカスミサンショウオの幼生たちのエサやりは毎日数人がかり、一人の時もあったのですが本当に大変でした。
そして成長し手足が生え、エラが残っている様子はまるでウーパールーパー…。(ウーパールーパーも外国のサンショウウオの仲間です。)


そんなカスミサンショウオの幼生たちも生まれて半年以上経ち、水から上がり姿かたちはもう成体と変わりません。


しっぽの黄色い線も出てきてまさにミニ・カスミサンショウウオ。
とても可愛いです!
これからもこの子供たちのお世話を頑張りたいと思います!

皆さんもカスミサンショウウオに会いたくなったらぜひ、マリンワールド海の中道へ遊びに来てくださいね!
現在子供のカスミサンショウウオたちは3階フロア、水の森エリアに展示しています。
大人のカスミサンショウウオが見たい方は、1階フロア、外洋大水槽前からかいじゅうアイランドへの通路左側に展示しているカスミサンショウウオをご覧ください。
(かくれんぼが非常に上手です! 探してみてくださいね!)
そして皆さん、カスミサンショウウオの名前をぜひ覚えてくださいね!

 

魚類課 坂上 真咲

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