こんにちは。大水槽担当の明石です。
先日ご紹介したヌタウナギの卵の現在の様子をお伝えします!
(前回の記事はこちらから:https://marine-world.jp/staff_blog/post-3577/)
ある論文によると、産卵から胚発生(卵から赤ちゃんへの変身の過程)まで5カ月ほどかかるとされています。水槽内で卵を確認したのが昨年の11月3日で、気が付けばあっという間に5カ月が経過していました。
さて、卵はどうなったでしょうか。
何やらうっすらと卵黄に溝のようなものができています。これが胚なのかはまだ分かりませんが、この5カ月の間に起こった変化と言えば実はこれだけです。
全く変化のない卵も複数個存在するので、それらに関しては無精卵確定かなと思っていますが、なんせのんびりと発生が進むようなので今後も観察を継続していきます(卵がのんびりなので私ものんびりと様子見を…)。
ところで、上の画像からも分かる通りヌタマゴには両端にエノキのような粘着糸があって、卵らはこれを使って卵同士でくっつきあっています。卵たちの結束力は非常に強く、離してみようとしても(※意地悪ではない)なかなか離れることはありません。
このエノキ、何者…?
というわけで、エノキ部分を拡大して観察してみました。どれどれ?
おおお~~~!!!
エノキだと思っていた物は、傘に当たる箇所が返しになっており、これのおかげで卵たちはガッチリと繋がっていられるんだと分かりました。
身の回りの物に例えるなら、マジックテープのチクチクな方といった感じです。
エノキの根元には短い軸だけのものが数本生えていますが、果たしてこれは何なのでしょう?(筆者はこれもにょきにょき成長してエノキになったら面白いなあと思っています(笑))
また何かヌタウナギの卵に変化があれば記事を書きたいと思います。
今はただ「どうか有精卵であってくれ!育ってくれ~!」と念を送りつつ見守ることしかできませんが、ヌタウナギに関する情報を可能な限り収集しながら孵化を楽しみに待ちたいと思います。
魚類課 明石 夏澄