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30年の軌跡 Vol.21

【アクアライブショーの思い出】

折居 巧(運営本部 魚類課 副長)

「こんにちは~!皆さ~ん!私の声は聞こえていますか~?」

平成7年4月のグランドオープンに向けて三日三晩寝ずの作業を行うなど多忙を極めたさ中、セリフ合わせを行っていました。それが「アクアライブショー」です。

グランドオープン時の目玉水槽『パノラマ大水槽』で生活している魚を、水中カメラを持ち、水中で会話できる装置を身に着けたダイバーが、水槽前の司会の解説員と会話型式で紹介するショーイベントです。もう皆さんはおなじみかもしれませんが、当時としては画期的なイベントで全国的に見ても例がありません。そのため、誰も見た事ない、聞いた事ない、ましてや行った事が無い、の無い無い尽くしの中、試行錯誤の繰り返しでした。

当時、パノラマ大水槽にはおよそ80種類1万尾の様々な魚を国内外問わず収集展示しました。中でもオーストラリアから運んできた「シロワニ」は、大きさ3m近くあり、日本では当館だけでご覧いただけるサメです。私も初めてお目にかかる上、今でこそ言えますが、同じ水槽に潜る事はとても勇気が入りました。おとなしいサメだとお客様にお伝えしていましたが、大きな口から見える無数の鋭く尖った歯を間近で見ると、今でも身震いする程です。

ショーの後半は、お客様から魚についての質問を受けていました。ある日、「サメと一緒に泳いでいて、怖くないんですか?」との質問に対し、「とっても怖いです!」と、思わず本音が出てしまった事もあり、会場のお客様も苦笑する程でした。

また、ある程度ダイバーとして慣れ、得意げにショーに臨んでいた頃、会場に幼稚園児たちが、体操座りで澄んだ眼をして水中の私を見つめてくれ、その際、異常に緊張して、うまくショーが行えなく、改めて気を引き締めて臨まないといけないと反省した事が、今でも昨日のように思い出されます。