突然ですが、皆さんは「透明標本」ってご存知ですか?
魚を数種類の薬品を使い長い時間をかけることで、名前の通り肉の内部を透明にすることができるんです。
よく見かけるホルマリン標本とは違い、肉が透明になることで骨の位置関係が分かります。
今までは、「ほねのおと」で展示している様々な魚の骨格標本をつくってきましたが、透明標本をつくるのは初めだったので、経験のあるスタッフに教えてもらいながら、2人での作業でした。
柔らかい軟骨を青色に染め、硬い硬骨を赤色に染める「二重染色透明標本」ですが、ただ薬品で染め上げればいいわけではありません。
魚の大きさや鱗のつき方、肉厚か薄いのか等で全ての工程が変わるため、マニュアル通りに作ればいいというわけでもありませんでした。
試行錯誤を繰り返し(失敗作は数知れず・・・)、やっと展示できるレベルの標本が出来上がりました。
当館の1Fにある深海コーナーでは様々な深海魚のホルマリン標本や、数個の透明標本を展示して来ましたが、この度プチリニューアルで透明標本コーナーを増やしました!
目玉はなんといってもリュウグウノツカイ(の頭部)です!
他にも初作品の中から出来のいいものを展示しています。
そして透明標本の面白い所は、時間が経つにつれて透明度が変化する事です。
この透明標本はその美しさからアート作品として販売もされています。
今は出来たてですがこれからどんどん透明になっていく様を観察してみてください。
そして実は、次は相棒と共に80cmサイズの大物に挑戦する予定です。(魚種はヒミツです)
来年の今頃には展示できるように、そして皆様に驚いてもらえるように作品を作っていきます。
魚類課 山口 絢子