皆さんこんにちは!獣医師の和田です。
今回は人の手で育てたゴマフアザラシのコハルについて書いていこうと思います。
コハルは2020年3月17日に誕生しました(暖かい小春日和に生まれました)。
お母さんのハルコは目が不自由のため子育てが上手にできず、スタッフが代わりに育てる「人工哺育」を行いました。
マリンワールドにとって初めてのゴマフアザラシの人工哺育でしたが、コハルはすくすく大きくなり、とても元気に育ちました。
この人工哺育が成功した秘訣はずばり、ミルクにあると思います。
アザラシのミルクは海の動物たちのための特殊なミルクや、犬用のミルクを使います。
アザラシの母乳は、赤ちゃんが寒い地域でいち早く皮下脂肪をつけるため、脂肪分が多く含まれています。
そのため、ミルクをお湯で溶かすだけでは脂肪分が足りないので、サーモンオイルという犬用のサプリメントを加えます。
このミルクのおかげで、生まれた日11キロだった体重が、1カ月で30キロまで増加しました。
ちなみに、一度ミルクをなめてみましたが、人間にとってはあまり美味しいとは言えない味でした…。
毎日ミルクの匂いを全身にまといながら走り回った日々が懐かしいです。
スタッフは人工哺育の期間中、コハルにたくさん話しかけたり、体調管理のために体をたくさん触っていました。そのおかげか、とても人懐っこく育ったコハル。プールをのぞくと真っ先にすいすいーっと会いに来てくれます。
これからもコハルが健康に育っていくのを、獣医師としてサポートできればと思います。
皆様もぜひ、かいじゅうアイランドへコハルを見に足を運んでみてください。
展示部 和田 夏海