こんにちは!大水槽担当の明石です。
今回は、水槽で拾った不思議なものをご紹介します。
飼育員が水槽で拾うもの…皆さん何が思い浮かびますか?
サメの歯、魚の卵、餌の食べ残し…私たちは、ほぼ毎日といっていいほど水槽で何かを拾っている気がします。
今回は、「拾ったもの」の中から私がナニコレ⁉となったものを紹介します。
まずひとつめはこちら。
深海水槽で拾ったものです。何やらギザギザしていますね。
初めてこれを拾った時は頭の中が?でいっぱいでした。
でも、これはきっと何か生物が落としたものだと思ったので、正体を調べることにしました。
図鑑を見るとすぐに答えが分かりました。
これは『ムラサキヌタウナギの歯』
ヌタウナギは表からは見えない喉の辺りにこの歯が左右対称に2対存在します。
ヌルっとしていて、歯なんてなさそうなイメージを勝手に持っていましたが、こんなに厳つい歯を持っているなんて!驚きでした。
さて、お次はこちら。
同じく深海水槽で拾ったものです。同じ形をしたものがたくさん散らばっていたので気になって拾い集めました。
表と裏にそれぞれ凹凸があり、このパーツたちは凹凸でぴったりと組み合わさって一列に繋がっていたのではないか?と予測はできるのですが、これが一体何なのかは図鑑を見てもインターネットで調べても全く分かりませんでした。
定期的にこの「何か」を水槽で拾って、その度に正体を解き明かすぞと色々調べてみるものの、半年以上答えが出ないまま時間が過ぎていきました。
しかしつい最近、ようやく正体が判明しました。
驚くべきことに、図鑑でもインターネットでもなく水槽の中で答えは見つかったのです。
これは『トリノアシの冠部(花のような部分)』‼
まさか、このフサフサが小さなパーツが連なってできているものだとは思ってもいませんでした。このトリノアシはヒトデと同じ「棘皮動物(きょくひどうぶつ)」というグループに分類されます。不思議な姿からヒトデの仲間とは少し考えにくいですが、茎部の断面を見てみると一目瞭然です。
棘皮動物の特徴である“五放射相称”、ばっちり確認できますね。
小さな小さな何かでしたが、ハッキリと答えが分かって非常に嬉しかったです。
これからも水槽で何か拾った時は、それが一体何なのか全部調べたいと思います!
ちなみに、館内で何か(落とし物)を拾った際はお手数ですが2階インフォメーションにお届けください。よろしくお願いします。
魚類課 明石 夏澄