飼育動物たちが日々暮らしていく中で、私たち飼育員と直接関わる時間はそれほど多くありません。
飼育員と接していない時でも退屈しないように、ラッコのリロには様々なおもちゃを渡しています。
飼育員手作りのもの、大型犬用のおもちゃ、中にはファンのお客様からご厚意で頂いたものもあります。
ただ、渡したものすべてで遊んでくれるかというとそうでもなく、ひどく執着するものとそうでないものがあります。
何が違うのかな?もちろん形状も好みの要因だとは思いますが、それだけではないようで、観察してみたところリロの好きなおもちゃのポイントが分かってきました。
ポイント①形状
カラーコーンの土台やバケツで作った輪状のおもちゃは、リロの大のお気に入りです。
思い返してみると、リロが10年前マリンワールドにやってきた時、飼育員手作りの輪を持ってやってきました。
リロは子どもの時から、輪状のおもちゃに目がないのです。
ポイント②噛み心地
大型犬用のおもちゃは噛むことを前提に作られていて、弾力があり壊れづらい作りになっていますが、リロが噛むことはほとんどありません。
触った感触で柔らかいのが分かるようで、噛まずに持って泳ぐことが多くみられます。
一方、カラーコーンやバケツの縁を切り取ったものは、硬めのプラスチックでできていますが、噛んで破壊しようとしていることがよくありました。
ポイント③壊れる
お気に入りのおもちゃでの遊び方をよく見てみると、アクリルガラスや陸面にこすりつけたりして遊んでいることが多くありました。
さらに観察を続けると、どうにかして壊そうとしているように感じます。
ひねったり叩きつけることで、おもちゃに亀裂が入り始めると、リロの遊び方がどんどん激しくなっていきます。
総じて、リロの好きなおもちゃは【形状が輪、固めで壊れるもの】でした。
出来るだけリロの好きなおもちゃを入れてあげたいのですが、すぐに壊れてしまうと危険なので、これからも工夫しながらおもちゃを渡してみたいと思います。
海洋動物課 秋吉 未来