季節の変わり目ですが、皆さんは体調が悪いと感じた時には最初に何をしますか?
まずは熱が出ているか確かめるために体温を測ると思います。
人の体温は脇下や額など様々な部位で測ることができますが、皆さんはイルカの体温はどこで測るかご存知でしょうか?
イルカの体温は肛門から体温計のひも状のセンサー部分(プローブ)を挿入し、直腸(ちょくちょう)で測ります。
理由は体温計がイルカの体温ではなく水温を感知するのを防ぐために、海水に触れない部位を測定しないといけないからです。
私たちは毎朝イルカたちの体温を測っており、イルカたちの平熱は個体ごとに異なりますが35℃後半~37℃前半です。
それでは実際に体温を測る様子を説明します。
①体を仰向けにさせます。
トレーナーの合図でお腹を向けるようにトレーニングしています。
②プローブを肛門からゆっくりとマークがついた箇所(先端から30cm)まで挿入します。
③値が安定したらゆっくりと抜いていきます。
抜くまでの間で1番高い値をその日の体温として記録しています。
体温計は他の個体でも使用するので使う度にアルコールで消毒します。
ショーに出場しているイルカは全頭体温測定ができるのですが、まだ2歳のバンドウイルカのハルはできません。
そのため体温測定ができるように毎日トレーニングに励んでいます。
現在はプローブの先端部分は挿入できるようになりましたが、それより深く入れようとすると体に力が入ってしまう状態です。
ハルもトレーナーも頑張っていますので見かけた際には応援してください。
海洋動物課 鈴木 鴻之