マリンワールド海の中道

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2019.1.28

30年の軌跡 Vol.40

【シロワニの繁殖研究】

鈴木 泰也(運営本部 展示部 魚類課 主任)

マリンワールド海の中道では、国内初展示となる大型のサメ「シロワニ」の飼育を1995年4月に2尾から開始し、翌年の4月にさらに4尾搬入し、合計6尾の複数尾での飼育体制を整えました。

シロワニは世界中の温帯域沿岸に広く分布し、国内では東京都小笠原諸島に生息しています。生息数は減少傾向にあり、環境省が定めるレッドリストでは絶滅危惧種IB類に指定されています。全長3メートルほどになり、半開きの口にずらりと並ぶ鋭い三角形の歯を見ると恐ろしそうですが、性格は非常に臆病で、口に入る程度の餌しか食べず、人を襲うことはほぼありません。見た目のインパクトや飼育のしやすさから世界中の水族館で展示されおり、現在国内では当館の他に9施設で飼育されています。しかし、水槽内での繁殖は難しく、成功しているのはオーストラリアや南アフリカなどの海外の施設に限られます。

当館では国内での繁殖を目指し2014年に「シロワニ協議会」を発足させ、国内外の飼育施設と飼育条件の情報共有を始め、生息地では水温や日照時間など生息環境の調査をしています。また、雌雄の体内ホルモン値を調べるため、ダイバーによる水中での血液採取を行っています。麻酔をかけず、遊泳しながらの採血を行えるのは世界でも当館だけで、現在4年間のデータが蓄積され、貴重な知見が得られています。

シロワニの繁殖は隔年周期で、1尾のメスが1m弱の幼魚1尾を出産する胎生の繁殖形態を持ちます。飼育環境が整えられ、正常な発情が始まり、交尾が成功すれば待望の幼魚誕生の可能性が高まります。自然界でも減少傾向にあるシロワニの国内初の繁殖は、我々飼育員そして水族館としての願いです。

 

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